非線形解析による高齢者の経皮的胃電図 : 若年者比較

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概要

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加齢とともに消化管運動機能異常によると思われる症状を訴える患者が増加している。一方,胃腸機能低下した長期臥床患者や開腹手術後の患者の便秘が,腹部を温めることによって軽減することが経験的に知られている。しかし,筋肉及び神経系に比べて胃腸等消化器系の高齢者に関する研究は少なく,腹部加温が高齢者の胃腸運動に及ぼす影響について示した研究も少ない。そこで,本研究では高齢者と若年者の胃電図の比較,および胃電図を用いた高齢者における腹部加温による胃腸運動への効果を,時系列の不規則性を評価する指標の一つである並進誤差を用いて,解析・評価を行った。その結果,高齢者胃電図は,若年者胃電図に比べて,時系列の不規則性が小さいことが示された。さらに,高齢者胃電図は,時系列の時間変化に伴う変動が少ないことが考えられる。また,腹部加温時において高齢者の胃腸機能向上が確認され,高齢者における胃運動性の改善に有効であることが示唆された。

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