宮沢賢治作品の「装景樹」と植生景観 : 「田園を平和にする」白樺、獨乙唐檜、やまならし
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概要
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岩手県の自生種のシラカンバ(カバノキ属)、導入種のドイツトウヒ(トウヒ属)、導入種のポプラ(ヤマナラシ属)の植栽によって、当時の農村景観を改善できると賢治は考えた。現在の農村景観計画に相当するこのアイディアは、田村(1918)が提唱した装景に由来する。ここでは、3属の樹木を賢治の「装景樹」と呼び、どのように作品に描かれたかを詳細に記載した。賢治が実際につくった景観計画案やその実践のプロセスをも明らかにした。作品描写の分析によって、賢治の科学(植物生態学など)的リテラシーを考察した。さらに、装景樹の着想について、当時の林学や植物学において、樹木や森林の美が研究されたことや、造園学とその実践学が確立したことなどの学問的な時代背景を考察した。
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