精神障害者退院促進支援プログラムの効果モデル形成に向けた「効果的援助要素」の検討 : 全国18事業所における1年間の試行的介入評価研究の結果から
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概要
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精神障害者退院促進支援事業は十分な成果を上げているとはいえず,社会的入院者の退院やその後の安定した地域生活実現に有効な「モデル」を発展させる必要がある.本研究は,プログラム理論評価と効果事例の質的検討に基づき形成した「効果モデル」に準拠した試行的介入を行い,よい成果に結びつく「効果的援助要素」を量的・質的に分析して,より効果的なモデルに発展させることを目的とする.18事業所にて試行的実践を行い,アウトカム指標として新規利用者数,退院者数に結びつく要素を検討した.その結果,いくつかの「効果的援助要素」は全体群でアウトカムと相関するが,「効果モデル」とゴールと理念が一致する群(I群)でより多くの相関を示した.事例分析では支援のていねいさや退院先を区別しての評価など「効果的援助要素」の適用に必要な配慮が明らかになった.以上から有効な「効果的援助要素」に基づき,モデル改善のための示唆を得た.
- 2011-08-31
著者
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