先天盲の色彩語彙およびその認知内容
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概要
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本研究は,視覚的経験をもたない先天盲の人たちが構成している色彩世界の構造を知る研究の一環として彼らの色彩語彙の特徴を明らかにし,晴眼者における特徴と比較することを目的とした.10名の先天盲に,色彩語の想起調査,晴眼者において知名度の高い色彩語に関する再認調査,およびこれらの調査から得られた色彩語についての印象および具体的な対象の連想調査を行い,さらに各色彩語の指示内容についての確信の程度に関する自己評定を求めた.想起された色彩語数は1人平均26.2種であり,参加者全員では合計75種であった.各色彩語の想起数には基本色彩語の優位が確認され,根源色カテゴリー>派生色カテゴリー>その他の色彩語という関係がみられた.これは晴眼者の想起率および書きことばにおける出現頻度の調査結果の傾向に極めて近似していていた.各色彩語に対しての印象語および具体的な対象の連想語(認知内容)においては,根源色カテゴリーが,特に認知内容の数においては豊かであり,確信度の自己評定も高かった.想起色彩語数,認知内容の数,確信度評定の間には相関関係が認められた.なお,これらの諸指標にはかなりの個人差が認められた.
- 2011-09-01
著者
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