X線CTにおける検出器の標本化間隔に対する投影データ値の応答解析

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多検出器配列型のX線コンピュータ断層撮像(computedtomography: CT)装置の登場にりz方向(体軸方向)の空間分解能が向上し,x,y及びz方向の空間分解能が等しい,いわゆる等方性分解能を有する画像が得られるようになった。従来よりもz方向の投影データの標本化間隔が狭くなり,より細かい投影データが得られるようになったものの,投影データ値はその定義により検出器素子に入射するX線量に関して非線型な値として得られるため,投影データ値に関する雑音の伝播の解析や標本化間隔に対する応答を解析することが重要となる。そこで,本研究では放射線の透過率が異なるステップ状の構造が検出器素子上を移動した場合,及び検出器の標本化間隔を変化させた場合の投影データ値の応答を解析した。理論的に「投影データ値は検出器に入射する光子数と線型ではなく,X線の減弱率の対数変換から得られる」ため,通常の画像では画素に含まれる被写体の面積と画素値との関係が線型であるが,投影データの場合は検出器素子上の構造の位置と投影データ値の関係が線型ではない。このことによりステップの位置が検出器素子の隔壁の真上に位置する場合は投影データ値が大きくなるが,隔壁の真上でない場合は小さくなることを示した。また,導いた投影データ値の振る舞いを利用して,より狭い標本化間隔で投影データを取得し,算術平均により従来と同じマトリクスサイズの画像を構成することで,応答の向上が見込まれることが示された。
岐阜医療科学大学の論文

X線CTにおける検出器の標本化間隔に対する投影データ値の応答解析

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