アモルファスポリアミド(6I/6T)ブレンドの誘電的性質:(I)m-キシレンジアミン/アジピン酸ポリアミド(MXD6)とのブレンド
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概要
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アモルファスポリアミドの一つであるポリアミド6I/6T [ヘキサメテレンジアミンとイソフタル酸から成るポリアミド6Iとヘキサメテレンジアミンとテレフタル酸から成るポリアミド6Tの6I(70%)/6T(30%)共重合体ポリアミド] とポリアミドMXD6(メタキシレンジアミンとアジピン酸から成るポリアミド)のブレンド試料を溶融調製し,それらの誘電的性質を測定した。すべての試料において,200K以下にγ,280K付近にβそしてガラス移転点以上の370K以上にα緩和が観測された。それらの緩和は,それぞれ炭化水素鎖の局所運動,アミド基の束縛運動およびガラス転移温度以上で起きる主鎖のミクロブラウン運動に帰属された。緩和温度,活性化エンタルピー,緩和強度などの誘電的性質の挙動から2つのポリアミドは良く相溶していることが確認できた。誘電的な不連続として観察されるMXD6の結晶化温度は,6I/6Tのブレンド割合が大きいほど高温域へシフトし,MXD6の結晶化が6I/6Tにより阻害されることが明らかになった。この結晶化に伴う結晶相のミクロ相分離構造により,高温領域での緩和強度,結晶緩和の出現など誘電的性質が複雑に変化した。さらに,融解・流動が起きる直前の温度域では新たな緩和が観測され,その緩和はポリアミド間の水素結合の切断が関係しているものと推察した。
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