小学校入学時における発達障害児をもつ母親の適応に関する研究 : 連絡帳の分析を通して
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概要
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本研究では、障害のある子どもに対して積極的にかかわろうとする、他の子どもの実態や接触理由を数量的観点から把握することと、彼らがもつ障害のある子どもに対する主観的な認識を検討した。その結果、障害児に対して積極的にかかわりをもった子どもの実態として、X²検定によってきょうだいがいることと、学力が中程度であることが示唆された。一方、有意差は認められなかったものの、百分率から同じ保育所出身者で年下のきょうだいをもつ女児が多いことが窺われた。また、交友選択の理由では対健常児と同様に「かわいいから」とか「好きだから」という好感が大半を占めながらも、対障害児特有の「援助・優越」という向社会的行動に帰属した理由も挙げられた。さらに、彼らは障害児に対してポジティブなイメージをもち、具体的には明るい、楽しいと捉えている。また、彼らは障害児に対する心理的距離も近く、一緒に遊んだり勉強したりと向社会的行動が求められる場面に対しても積極的な態度をとろうとしていることが窺われた。
- 2011-02-28
著者
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