傷害をおった学生を対象とした大学体育授業の実践研究
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概要
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本研究の目的は,傷害をおっている大学生を対象として,体育授業(「アダプテッド・コース」)の効果を検討することであった.対象者は,夜間部に通う大学1年生男子2名であった.授業プログラムは,週に1回の頻度で14週にわたって1)計9回実施されたスポーツ活動(ボッチャやウォーキングなど)および2)計4回実施されたガイダンスと講義によって構成されていた.授業は4月から7月にかけて行われた.対象者は,日常生活で健康行動を実践する3種類の体育の宿題に取り組むように指示された.6月中旬になると,4月時点と比較して,傷害の程度が明確に改善されていた.運動セルフ・エフィカシーが受講前後でほとんど変化していないにもかかわらず,身体活動・運動の実践水準は増加傾向にあった.抑うつ・不安の変化について見てみると,2名の対象者ともに一度上昇してから,7月に最も低下していた.結論として,本研究から,(1)傷害をおっている学生に対して個別に支援をすることによって,身体活動・運動の実践水準を改善することが可能になること,(2)傷害の状態の認識は気候に影響されやすいこと,(3)傷害の治癒度が改善していない時期に,メンタルヘルスに対して働きかけをする必要性が示唆された.
- 2008-03-15
著者
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