高度生殖補助医療により妊娠した妊婦における不妊治療経験の受けとめ

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概要

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不妊治療,とくに高度生殖補助医療により妊娠した妊婦は,妊娠成立後にも情緒的ストレスを感じており,母親になるプロセスを円滑にするためには何らかのサポートを必要としていることが多い。そこで,高度生殖補助医療により妊娠成立した妊婦(以下,ART後妊婦)に対するケアの方向性を検討するため,ART後妊婦における妊娠各期の不妊治療経験の受けとめを把握することを目的に,外来通院の妊婦45名に自由記載の質問紙調査を実施し,内容分析を行った。その結果,不妊治療経験の受けとめに関して,妊娠期をとおして『出口の見えないトンネル』『女性としての自己イメージや生殖機能の喪失』『妊娠への挑戦』『不妊治療経験による自己の成長と夫婦関係の変化』『サポートに対する感謝』などの因子が導かれた。また,妊娠各期で不妊治療経験を否定的にとらえる一面と,不妊治療経験を肯定的にとらえ,自己や夫婦の成長を顧みる傾向が認められ,それらを支持し情緒的ストレスの軽減を図る援助の必要性が示唆された。

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