知的障害児における身体の自己コントロールが日常行為の発達に及ぼす影響 : 動作法の適用と靴下履きの変容の分析
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概要
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本研究では、5歳になる知的障害児を対象として、身体の自己コントロールと日常行為の関係について検討することを目的とした。ここでは、日常行為として靴下履きを取り上げ、身体の自己コントロールを高めるために動作法を適用した。それらの変容過程と日常生活に関する母親の報告、記述、およびS-M社会生活能力検査結果を分析対象とした。2年間にわたる適用経過から、以下のような結果が得られた。まず、身体各部位の弛緩とともに呼吸が調整しやすくなり、セラピストとの動作課題遂行における共同調整が変化した。次に、坐位姿勢が安定するにつれ、靴下をもった手と足が同時に動くようになり、靴下を履くという一連の動作がスムーズになった。さらに母親が、対象児の日常行為のわずかな変化に気づくようになると、母親の子どもの発達に関するとらえ方が変わり、母子関係にも変化がみられた。これらの結果を踏まえて、身体の気づき、日常行為の発達、および母子間の相互交流のパターンについて検討した。
- 2010-09-30
著者
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