緩和ケア病棟死亡退院後のエンゼルケアの評価
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概要
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本稿では,緩和ケア病棟でのエンゼルケアの方法の見直し後に死亡退院された遺体状況の実態調査から,看護師がおこなうエンゼルケアへの示唆を得ることを目的とした.主な具体的な見直し内容として,(1)エンゼルメイクにマッサージを取り入れる.(2)詰め物は基本的に実施しない,以上の2点をおこなった.調査は葬儀社に勤務している,同意の得られた調査協力者40 名に質問紙を配布し16 名から有効回答を得た(回収率40%).結果,エンゼルメイクにマッサージを取り入れる見直しが,一定の効果を示したと推測されたものの,搬送後のメイク直しが半数の割合でおこなわれていた.その判断者の6 割強が遺族であり,家族参加やこれまでの愛用品の使用など,家族の意向を取り入れたエンゼルケアの充実が求められた.また,顔の出血斑,臭い,濾液の3 項目のすべてにおいて7 〜 8割の割合で体験したことはない,との回答を得た.この結果から詰め物は基本的にしない,という見直しに対しても一定の結果を示したと推測できた.しかし,現状や先行研究における遺体トラブルの実態調査の結果などから,一様に実施する,実施しないという対応ではなく,病態に応じたエンゼルケアの必要性が示唆された.
著者
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