大学緑地の公開に向けた課題 : 菅平高原実験センター樹木園の事例
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概要
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環境教育推進関連法案の施行後、大学による地域貢献はいっそう強く求められている。こうした中、自然を体験的に学習できる場として、多くの大学が所有する演習林、植物園などの緑地の潜在的価値に注目が集まりつつある。そこで本論文では、大学所有の緑地を地域へ公開した時に生じる諸問題を文献研究により整理することを目的とする。また、筑波大学菅平高原実験センターの樹木園を事例とし、今後の公開の在り方に関する考察を行う。文献研究の結果、大学緑地の公開に伴うマイナス面としては、盗掘被害・環境破壊、犯罪・事故、研究教育活動への支障などに代表されるリスク面の問題、広報・表現の問題、人的負担などに代表されるコスト面の問題が含まれていた。これら公開に伴うマイナス面を、地元のボランティアの協力のもとで軽減させた事例もあった。いっぽう、菅平高原実験センターの樹木園は1974年から一般公開されているが、平日限定、来場者の記帳等の制限要因があるためか、例年の見学者数は平均342人にとどまり、その数も年々減少傾向にあることがわかった。今後は、利用者減による不要論と、さらに踏み込んだ公開を実施した場合のリスクやコストを定量的に評価しつつ、緑地の運営をはかっていくマネージメント的視座が求められる。
- 2010-03-30
著者
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