健康増進政策と大学の役割 : 「なら10minuites Exercise」の社会学的インプリケーション
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概要
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2008年度、奈良女子大学スポーツ教室は壮年期を対象にした生活習慣病の一次予防のための体操作成を奈良県健康推進課から依頼された。完成した「なら 10minutes Exercise」には「空白」の時間が設けられている。「空白」が象徴するこの体操にこめられた意図をつまびらかにしながら、今後の「健康推進活動」に役立つ資料を残すこと、その社会的含意について考察することが本稿の目的である。 近年の健康推進政策に関する社会学的研究は、国家行政(政治)と個人の関係について論じてきた。そこでは、健康問題を個人の自己責任の範囲に位置づけようとする昨今の政策に対して厳しい批判が行われている。しかしながら、そこでは行政と住民との間に大学機関が加わる実践的意義については述べられていない。体操の「作り手」に注目することで、健康推進運動に行政でもなく政策の対象となる地域住民でもない大学という機関が関わる意義を具体的実践を通して渡欧とする姿勢があることを明らかにした。
- 2010-03-31
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