歯科衛生科学生における肥満度,自己体重の認識と食に関する教育の効果

概要

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若い女性の痩せ志向を背景とした過度なダイエットによる低体重から健康障害を招来することが懸念されている.歯科衛生士養成課程に所属する大半の学生は若い女性であることから,本研究では当該学生の肥満度と自己体重の認識を把握することを目的とした.併せて,養成課程で行っている食に関する教育の効果を評価し,今後,食に関する教育カリキュラムを改訂する際の基礎資料を得ることも目的とした.歯科衛生士養成課程にある1〜3年生の学生を研究対象として,自己記入式による質問紙調査を行い.374名が分析対象となった.BMI区分でみると,低体重群28.1%,普通体重群69.7%,肥満群2.2%であった.自己体重の認識が過大評価となっている者は全体で90.5%,普通体重群では97.9%,低体重群では79.4%であった.先行研究と比較すると,本研究対象は低体重者の割合が高く,自己体重の認識が過大評価である者の割合が高い集団である可能性が示唆された.食に関する教育の効果については,本研究対象における食に関する知識・態度・行動等に学年間で差がなく,今後,適切な食行動・食生活が実践できるような教育カリキュラムを開発していく必要があると思われた.
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2010-01-30