大学新入学時の口腔健康状態に対する意識および歯科保健行動に関する検討

概要

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大学生における学校歯科健康診断は,学校保健安全法では義務付けられていないため,口腔内の状況や歯科保健に対する意識についての報告は少ない.今回,2007年,2008年度大学新入学時の口腔健康調査により口腔健康状態の把握と歯科保健行動に関して検討した.対象は新入生6,310人のうち集計結果の公表について承諾の得られた6,291人(男性5,115人,女性1,176人)で,事前に配布した自記式質問紙を無記名で回収した.得られた結果について過去の報告と比較検討した.また,性差,矯正治療,定期的歯石除去について統計学的に検討した.その結果,過去の報告に比べてう蝕有病者率が減少し,歯肉出血の自覚などの歯周病や,歯列不正について気にしている者,歯科矯正治療の既往の割合が高くなっていた.また,ブラッシングについては1日2回,2〜3分磨く者が多くなっていた.定期的な歯石除去は,歯科矯正治療の既往,歯石の自覚,歯周病の指摘,未処置歯の自覚,1日3回以上歯磨きする者,1回4分以上歯磨きする者,永久歯の抜歯経験との間に関連が認められた.以上より,大学生において,う蝕だけでなく歯周病の知識を広め,ブラッシング指導や定期的な歯石除去など,予防のための対策を講じる必要があることが示唆された.
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2009-10-30

大学新入学時の口腔健康状態に対する意識および歯科保健行動に関する検討

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