インターリーディングという方法論
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概要
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2000年から3年ごとに世界数十カ国の15歳を対象に、OECDの「生徒の学習到達度調査(PISA)」が実施されている。その結果の中でも、特に日本の生徒の読解リテラシーの低さが際立っている。確かに、日本の若者の活字離れは深刻である。読んでも面白くない、よく理解できない、従って活字に向き合う意欲が湧かない。そのように感じられる背景には、通常の読解方法そのものに潜む、ある限界が関係していて、それがひとつの臨界を迎えつつあるのではないか——この論考は、そのような現状のとらえ方から出発している。提言するのは、適切な読解に至り、深い感動を手にするための、"インターリーディング"という方法論である。いくつかの具体的文例をもとに、黙読から生み出される読解と、インターリーディングならではの、「声」のあり方を探りながら文意をリサーチしてゆく読解との相違を吟味しながら、この方法の今日的意味について考える。
著者
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