知的障害特別支援学校高等部の「自己理解」支援に関する研究 〜教師へのインタビュー調査を手がかりに〜
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概要
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自己理解の支援は、キャリア教育や進路学習の普及にともない、多くの特別支援学校で取り組まれてきている。しかし、その取り組みは、支援の内容や方法の改善が望まれている。本研究は、自己理解の支援を積極的に行っている高等部教師2名のインタビュー調査を行い、自己理解支援の現状や課題を検討した。その結果、以下のような事項が明らかとなった。第一に、青年期・移行期という高等部教育の特徴から自己理解支援が必要である。そして自己に関する意識が弱く、否定的に自己理解しがちであるという生徒の実態が支援を必要としている。第二に、自己理解支援の実践は、対人関係や社会的経験が生徒の自己理解を促している。そして、自己理解支援の内容吟味が重要である。第三に、自己理解支援の課題は、(1)障害理解の難かしさという生徒の課題、(2)教師の自己理解に関する共通理解という学校教育の課題、(3)障害のある人たちに対する地域社会の課題があげられた。
- 2010-05-31
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