空間のジャポニスム : 現代デザイン史研究の新しい視点
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概要
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モダン・デザインの成立において,空間の問題が重要な意味を持っている事はいうまでもない。ところで日本美の特質が,その空間的性格にあることはこれまでにくり返し指摘され,また,日本の造形芸術が,19世紀ヨーロッパのデザインに大きな影響を与えた事も知られている。けれども当時のヨーロッパの空間表現への日本の造形芸術の影響は絵画などでは僅かに指摘されてはいても,デザイン空間の成立に及ぼした影響についてはほとんど論じられたことがない。この論文では空間のジャポニスムの最初の現れをゴドウィン,ドレッサー,マッキントッシュのデザインに見,その空間的デザインがリバティー商会を通じてヨーロッパ大陸に伝えられ,スリュリエ-ボヴィ,ヴァン・ド・ヴェルドによって発展させられた事,それは1897年のドレスデン工芸博覧会へのビングによる,ヴァン・ド・ヴェルドの"アール・ヌーヴォ"の店の内装展示の出展を契機として,急速にドイツの地にひろまり,それがその後のモダン・デザイン空間の発展に結び付いていった経過を明らかにした。
- 1995-05-31
著者
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