形態論批判の方法的地平としての汎=時間的視野
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概要
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今日の環境構造を形成しているデザインされ,作られたものは,人間にとり深い次元での違和感を潜在させているのではないだろうか。しかし,このような不安を明快な論理をもって表現するには原理的な困難がともなう。なぜなら,現代のデザイン文化を方向づけている言説・思考のスタイル自身が「形態論的」といえる傾向を強く示しており,その結果人間の原始的な空間感覚が疎外されている可能性が推測されるからである。「形態論批判」という哲学的方法は,環境形成を取り巻く言葉のシステムとしての文化構造を解明し,その隠された前提と仕組みを明るみに出すことを目的とする。この研究では,形態論的文化の思考スタイルを支配していると考えられる「形態論的分節」という概念的カテゴリーの方法的解体をひとつの段階として提起する。その結果獲得されるのが形態論の「汎=時間的地平」である。文化の表層にある分節構造が蔽っていた,人間の初次的な世界感覚を語るための中間的地平として,その方法論的な意味を考察する。
- 日本デザイン学会の論文
- 1995-05-31
著者
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