ケーキの香気成分に関する研究(第1報) : 油脂の加熱中に発生するカルボニル化合物の検索
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概要
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本研究においてモデルシステムによるベーキングケーキの発生する芳香を検索する第一歩として、バター、マーガリン,ショートニングを単独に加熱した場合に発生する香臭気成分,特にカルボニル化合物の実験を行ない,つぎの結果を得た。1)官能試験による油脂の単独加熱においてバター100℃加熱のみ芳香を呈し,150℃では分解臭に変る。マーガリン,ショートニングでは100℃加熱においても油臭があり芳香を呈しない。この場合の差異はカルボニル化合物として,バター100℃加熱の場合,ジアセチルが最も多く検出されジアセチルの生成量が芳香の1成分として重要な部分を占めると考えられる。2)バター150℃加熱におけるジアセチルの急激な減量は加熱温度および時間とジアセチルの生成に深い関連があることを認めた。3)バター100℃および150℃加熱のみにフェニルアセトアルデヒドが多量に発生することも芳香の原因となりえると思われる。終りに臨み,本研究にさいし,終始御懇切なる御指導を賜った実践女子大学染野亮子教授,および本学伊藤信夫教授に深く感謝致します。本研究の要旨は第19回日本家政学会総会(昭和42年)において報告した。
- 藤女子大学の論文
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