国際観光地Nagoyaのイメージに関する基礎的考察・その2 : ミシュランガイドの中の名古屋
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、ミシュラン社から2冊目の日本旅行ガイドブックが出版された。「ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック」と「ギド・ヴェール」という二つのシリーズの日本版である。名古屋に関しては高山や伊勢など近郊に比べて評価が低く、観光地としての特色がない都市だと記されている。賛否両論あるとはいえ、国際観光地をめざす名古屋にとって無視できない評価の一つであろう。「ボワイヤジェ・プラティック」の記述から浮かび上がるのは、オリエンタリズムやエキゾチシズムへの期待の一端を満たし、日本の歴史や伝統文化を追体験する場としての名古屋像である。いっぽう、名古屋の側では、プライドとパワーのシンボルとして観光資源を紹介する姿勢である。文化的コンテクストの違いによって生じた二つの名古屋像の差は、2年後の「ギド・ヴェール」の段階になると、産業観光関連施設が前面に押し出されることで小さくなっている。この変化には名古屋の観光推進のための努力が少しずつであっても確かに報われていることが表れている。以上から、官民協働の観光地づくりを積み重ねていくことが大切だと考えられる。
- 2009-12-23
著者
関連論文
- 名古屋学への文学からのアプローチ--清水義範を中心に (特集 名古屋の観光) -- (「名古屋と観光」と名古屋学)
- 漱石の著作権意識
- 一九二八年十一月三日の事 : 志賀直哉と藤枝静男・平野謙・本多秋五
- 志賀直哉と俵屋宗達
- 共同研究報告 越境の文学(2002年度人文社会学部共同研究報告)
- アルファベット「O」の笑い : Yoko Tawada 『Pulverschrift Berlin l.Fur Luise』
- 多和田葉子の〈旅〉 (特集 トランスナショナリズム) -- (越境の文学)
- 犀星日記における原稿料 : 出版文化の基礎的研究・その一
- 国際観光地Nagoyaのイメージに関する基礎的考察・その1 : アレックス・カー、ミシュラン、ウィーン博物館
- 国際観光地Nagoyaのイメージに関する基礎的考察・その2 : ミシュランガイドの中の名古屋