中国人就学生の生活世界と日本語教育 : 名古屋市の就学生を事例に
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概要
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本稿は、中国人就学生への参与観察および面接質問紙調査・聞き取り調査から、かれらの生活と日本語学習における課題を検討するものである。調査対象の名古屋市居住中国人就学生は大学・大学院・専門学校などへの進学にあたり、受験費用・入学金等経済面で相当の自助努力をしている。就学生は、家族を伴う日本への移民ではなく、単独で国境を越えた長期滞在者である。中国の親から経済的援助のない場合が多い。日本語学習に関する課題については、参与観察の結果から調査対象者は「聴解」に学習困難があると推察できた。本稿での聞き取り調査により、日本語学校の授業科目(「文法」、「読解」、「聴解」、「会話」、「作文」)の内、就学生が最も困難と感じているのは、来日後まもない初級クラス生も来日後1年以上経過した中・上級クラス生も滞日期間に関係なく、「聴解」であることが実証された。そこで中国人就学生を手がかりに外国人全般の日本語教育に繋がる「聴解」学習の再構築とともに生活面の課題を検討する。
- 名古屋市立大学の論文
- 2008-12-23
著者
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