「信」をめぐるアウグスティヌスの理解
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概要
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アウグスティヌスは「信」「信ずる」ということを一体どのように理解していたのであろうか。 彼の初期から後期の著作を貫く一つの線として、「信」の問題を、たえず「知」の問題との関わりで探求していたということが存しており、その理解は、後の中世哲学にも多大な影響を及ぼしたことは周知のとおりである。 他方、彼の「信」の理解には、それを「愛」との関係において展開した跡も見られることもたしかなことである。 それでは、全体としてアウグスティヌスは、どのように「信」を理解していたのであろうか。 アウグスティヌスの三つの作品、すなわち『信ずることの効用』『神を見ること、あるいは手紙147』『見えないものの信仰』を取り上げながら、「信」の全体的な理解を試みる。 たしかに、「信」を「知」との関係で、認識論的な枠組みで捉えようとする構図は終始貫かれているものの、「信仰の目」という表現に見られるように、「信」を単に「知」との関係で理解するのではなく、「愛」との関係で理解しようとする領野も確保していたと考えられる。
- 2010-12-20
著者
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