オンラインサービスを悪用するマルウェアに対する動的解析手法の提案

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近年,GmailやTwitterといったオンラインの正規サービスを,スパム送信やC&C通信に悪用するマルウェアの存在が確認されている.これらのマルウェアを解析環境内で実行し,動的解析を行う際,正規サービスに接続して挙動を解析すると,スパムが実際に送信されたり,攻撃者がサービスを悪用するためのアカウントが作成されたりするなどの悪影響の可能性がある.そこで本報告では,マルウェアと正規サービスの間の通信をMan-in-the-middleにより観測・蓄積するダミーサービスを解析環境内に構築し,これを用いてマルウェア動的解析を行う手法を提案する.提案手法では,マルウェアから正規サービスヘの要求のうち,ダミーサーバに蓄積された情報から,その応答を推定できるものについては,正規サービスヘの接続を行わずにダミーサーバが代理応答することで,マルウェア解析による正規サービスヘの悪影響を軽減する.また,解析環境内にダミーサーバを認証するためのプライベートCAを構築し,解析対象のマルウェアを実行する犠牲ホストにおいて,当該CAを登録しておくことで,マルウェアによるダミーサーバの認証に対応する.評価実験により正規サービスを悪用するいくつかの実マルウェアに対して提案手法が有効であることを確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2010-10-29

オンラインサービスを悪用するマルウェアに対する動的解析手法の提案

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