2009年度専門部会「朝日大学附属病院摂食・嚥下障害研究会」の活動報告岐阜県における摂食・嚥下リハビリテーションの現状と課題-歯科診療所へのアンケートと連携の問題点-

概要

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【緒言】歯科診療所における摂食・嚥下障害者への対応は,チームアプローチも含めて重要である.しかし地域によってはその役割が十分とは言えず,摂食・嚥下リハビリテーションの普及のための問題点を検討するため岐阜県嚥下障害研究会による摂食・嚥下リハビリテーション現状調査を行ったので報告する.【方法】アンケートは2007年11月に実施した.無記名回答でファックスにて回収した.岐阜県の医療機関,高齢者施設および障害児・者施設等を対象に2,239か所にアンケート用紙を送付したところ,全体の返信数は250施設(11.2%)であった.そのうち歯科診療所は922か所で,返信数は15か所(1.6%)であった.【結果】摂食・嚥下訓練を実施している歯科診療所は3か所で,未実施は12か所であった.摂食・嚥下訓練の問題点は,往診依頼で嚥下訓練を希望する人が少ない,家族やケアスタッフの認識が低い,歯科的支援の不足があげられた.将来的に摂食・嚥下訓練を行う予定がある診療所は5か所で,ないは7か所,無記入は3か所であった.今後の摂食・嚥下リハビリテーションに対し必要な情報は,情報交換の設定,地域歯科医療機関に関する情報,定例研修会による検査や訓練法の理解・習得,患者の紹介システム,患者への啓蒙活動があげられた.【考察】今回のアンケート結果では開業歯科医の摂食・嚥下リハビリテーションへの関心は低いことが判明し,その対応に苦慮している.介護保険による口腔機能向上,要介護高齢者の歯科疾患への対応や補綴治療,口腔ケアなどを含めて,歯科診療所による対応は重要であるが十分なものではない.一方で病院,高齢者施設,在宅等での摂食・嚥下障害へのニーズは今後も増加するが,地域での歯科診療所との連携が取れていないのが現状である.そのために摂食・嚥下リハビリテーションの具体的な研修制度の実施や摂食・嚥下障害者の受け皿となる地域ネットワークの構築などが必要と考える.
2011-02-20

2009年度専門部会「朝日大学附属病院摂食・嚥下障害研究会」の活動報告岐阜県における摂食・嚥下リハビリテーションの現状と課題-歯科診療所へのアンケートと連携の問題点-

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