家庭科カリキュラムの構成概念としての実践問題の検討 : ブラウンの理論に依拠したミネソタ州の事例を中心として
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概要
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本論は,「実践問題アプローチ」の家庭科カリキュラムの原理的解明を目的として,実践問題の概念と特質およびカリキュラム構成上の位置づけを明らかにするものである。ブラウンは,時代や文化を越えて人間が生涯全体を通じて繰り返し直面する問題を永続的な実践問題として捉え,それらを基軸にカリキュラム内容を構成することを提唱している。この理論に依拠したミネソタ州の問題提示モデルは,永続的な実践問題をカリキュラムの中核概念に位置づけ,人間の行為体系との相互関連のもとに教育的テーマを導き出すことによって,学習内容を構造化し,具体化している。それは,生徒が永続的な実践問題の解決に向けて実践的推論の思考過程を組織化するとともに,問題の意味を探究しながらその内奥にある本質を洞察できることを目指している。問題を媒介として,生徒が自分の生きる生活世界の現実と主体的に向き合うことができるようになることに意義が見出せる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1998-06-30
著者
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