第2言語学習に関する内観的研究(II) : その現状と今後の展望
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概要
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第2言語学習に関する内観的研究は,被験者の特徴,内観の目的(例えば,学習プロセスの心理的局面の探求),データ収集の特徴(例えば,与えられた課題の終了後に書き言葉による報告データを被験者より収集),統制の度合い,研究者・被験者間の関係,被験者のトレーニング,データ分析の方法(例えば,質的データの統計的分析).被験者の言語学習に役立つ度合い,複数の研究方法の使用(例えば,内観と研究者による観察の併用)等の点において異なる。第2言語学習研究における内観的研究方法の使用をめぐっては,現在,賛否両論である。賛成論者は,物理的局面に焦点を置く従来の外観的な観察研究は,学習者の精神的プロセスに関する満足なデータを提供し得ないと主張し,一方,反対論者は,学習者からの言葉による報告データと実際の認知的プロセスの同一性に疑問を投げかける。今後の内観的研究への提言として,内観的データの真実性を高めるために配慮すべきこととして,思考と報告の時間のずれの短縮化,課題に基づいたデータの使用,複雑でない課題の使用等に言及している。
- 日本教科教育学会の論文
- 1993-11-30
著者
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