知覚-運動スキルの系列学習における反応選択の自由度
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概要
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人間は,環境との相互作用の中で,物質・エネルギーと情報を交換しているという意味で開放システムである。開放システムの重要な特質としては,変化する環境への適応過程の問題がある。知覚-運動スキルの習得をめざす運動学習をこのような適応過程の問題として考えると,そこでは環境の変化に対応できる柔軟な運動のプログラムの形成が試みられなければなるまい。本研究は以上のようなことを念頭におきながら,系列運動学習における反応選択の自由度の影響を明らかにしようとした。そこで,まず反応選択の自由度の階層性に基づいて3つの異なった学習条件を設け,その条件下で系列運動学習を行なわせた。実験資料は,試行遂行時間,成功試行数,予測,エラーおよび歩数・バウンド数といった五つの観点から分析された。その結果,反応選択の自由度の最も高いグループが他のグループに比較して最も高いパフォーマンス水準を示し,運動系列が過大にプログラム化されると,学習者の自由度は減少し,系列課題におけるパフォーマンスは低下することがわかった。
- 日本教科教育学会の論文
- 1981-04-30
著者
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