ひとり歩きの理科学習研究(2) : 理解の姿と保存の姿
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概要
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本研究は,学習して得たものがどのような形で理解され記憶されるかということを明らかにしようとするものである。前報^<(1)>にひき続き,N君の面接調査を行ないながら,どのように理解され記憶されているかということを約一年間に追跡した。その結果,次のようなことが明らかになった。1.学習されたものが記憶されるとき,言葉よりも心像による方が深い理解を示す。2.映像は一つで多くの情報を含むが,その心像が更に詳しければ,より多くの情報を含むので,理解が深いと言える。3.外から刺激を受けると(例えばテスト,質問など)記憶していた心像を思い浮かべ,それと比較して判断を下す。4.いくつか体験したことを一つの心像に集約しているものと,無秩序に記憶しているものとがおり,集約しているものの方が理解が深い。5.印刷物などを見たり,他人から聞いたりしたものでなく,実際自ら試したものでないと心像としては非常に残りにくい。本報告は,以上についてのものである。
- 日本教科教育学会の論文
- 1978-07-30
著者
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