養護老人ホームの女性入所者にとっての「老い」とケアの課題について : インタビューを基にした内容分析
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概要
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本研究の目的は養護老人ホームの女性入所者に対して行われた「老い」と「日常生活」についてのインタビューを基に, 老い」の当事者である彼女たちにとっての「老い」の世界と彼女らに対する支援やケアの課題を明らかにすることである.A県B市のC養護老人ホームにおいて,10人の女性の入所者に半構造化インタビューを行いデータとし分析した.その結果,彼女らにとって「老い」は,自然なことでいろいろな思いを伴うものであった.そして,心身の衰えや困ることがあり,またそこから発生する不安や葛藤ももっていた.養護老人ホームでの生活は人間関係の難しさはあるが安心感があり,それぞれ楽しく健康にすごせるよう工夫や努力が見受けられた.そのようななかで,養護老人ホームが環境的支援として機能していることがうかがえた.以上のことから,養護老人ホーム女性入所者における「老い」の構造と,それに対して養護老人ホームが機能している人的・物的要因で構成される環境的支援の重要性が示唆された.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2008-08-31