社会福祉従事者のバーンアウトとストレスについての研究
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概要
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この調査の目的は,日本の社会福祉従事者のバーンアウトについて個人属性およびストレッサーとの関連を通じて,その現状・構造を明らかにすることである。関西圏で協力が得られた284施設においてアンケート調査を行い,2,801人から得られた回答をもとに分析を行った。バーンアウト尺度はMBI(Malachi's Burnout Inventory)を日本の対人援助職に適合するよう翻訳・修正された田尾・久保(1996)の尺度を用いた。因子分析の結果,先行研究のとおり情緒的消耗感,脱人格化,個人的達成感の減退の3因子が抽出された。情緒的消耗感はすべての個人属性と有意な関連を示した。重回帰分析の結果,バーンアウトとストレッサーとの有意な関連が示され,「利用者の家族とのかかわり」「組織の中での自分の立場・役割」「他職種・他機関との関係」はバーンアウト3因子ともに有意な関連を示した。一方「制度・法律の変化」だけがバーンアウトの3因子すべてと有意な関連を示さず,バーンアウトと関連がないことが示唆された。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2001-08-31