大都市独居高齢者の子どもとのサポート授受パターンと生活満足度

概要

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本研究では,大都市独居高齢者の子どもとのサポート授受パターンと生活満足度の関連を性差から検討した.調査対象は,無作為抽出による大阪市居住の65歳以上の独居高齢者1,020人であった.調査方法は,自記式質問紙を用いた郵送調査を行った.有効回収率は,51.6% (526人)で,子どものいると回答した371人を分析対象者とした.クロス集計の結果より,男性の独居高齢者は,女性の独居高齢者より手段的・情緒的サポートの両方において子どもとのサポート授受をあまり行っていなかった.t検定の結果,男性の独居高齢者が女性の独居高齢者より生活満足度が有意に低いといった結果が示された.また,重回帰分析の結果,女性の場合,暮らし向き,主観的健康度,サポート授受を双方に多く行っている高齢者が,子どもへのサポートの提供のみが高い高齢者,あるいは,子どもとのサポート授受をあまり行っていない高齢者より生活満足度が有意に高かった.男性の生活満足度には,暮らし向きのみが関連を示した・以上の結果から,子どもとのバランスのとれた活発なサポートの授受関係を維持することは,独居高齢者の生活満足度を高めることが示唆された.
2008-02-29