ひとり親家庭に対する政策論理の変化 : イギリスとオランダにおける就労支援政策の比較から
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概要
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本稿の目的は,イギリスとオランダにおけるひとり親家庭に対する就労支援政策をひとり親家庭に対する社会政策の2つのモデルである「ケア提供モデル」と「労働者モデル」に基づいて評価し,両国の政策論理の変化と福祉国家と家族(女性)との関係の変容を明らかにすることである.まず,両国のひとり親家庭の現状を示し,次に就労支援に焦点をあててひとり親家庭に対する社会政策の変化を分析し,最後に分析枠組みから両国の社会政策の変化について評価した.結論として,第1に就労支援プログラムに差はあるが,両国とも政策論理は労働者モデルへと移行しつつあること,第2に両国とも,ひとり親の女性がケアのみに専念することを権利として認めなくなることで,ひとり親の商品化がうながされており,脱家族化と商品化がどのように並行して進むかという点が,ケア提供モデルから離脱した両国が労働者モデルに移行するかそのネガティブバージョンへと移行するかの分水嶺であることを明らかにした.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2003-11-30
著者
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