「精神保健福祉」の概念とその課題 : 用語の定着過程の検証
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概要
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本論文は,日本社会福祉学会第50回全国大会(2002年10月)で口頭発表したものを中心にまとめたものである.本稿では,わが国における精神保健福祉の概念化のプロセスを検証し,「精神保健福祉」と「精神障害者福祉」の相互関係と両概念の課題を明らかにした.精神保健福祉の用語を分析・整理し,6つの概念分類として類型化した.とくに社会福祉と精神保健の理論的整合性をどのように位置づけるかという課題が,「精神保健福祉」概念の基盤にあることを明らかにした.また精神保健福祉の萌芽が現れた1990年以降にどのような精神保健福祉にかかわる論文があるかを調べ,現在の混沌とした精神保健福祉の問題状況を整理するために,「精神保健医療における福祉」と「精神障害者についての福祉」という新たな理論的枠組みを提起した.さらに本論にて,1997年精神保健福祉士法の成立に伴う指定科目の精神保健福祉論の誕生により,精神保健福祉概念の混乱がもたらされている根拠を提示した.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2003-11-30
著者
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