八丈島・青ヶ島におけるカナヤマサマ信仰 : 呪詛・ミコ・病い
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概要
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カナヤマサマは、鍛冶屋のカミ、火のカミとして知られる民俗神であるが、本稿では、その治癒神としての側面を八丈島・青ヶ島での調査に基づいて報告し、両島における健康観の一端を考察した。 その結果明らかになったのは、以下の点である。 一、カナヤマサマは、呪詛の力を発揮するカミであるとともに、呪詛を祓うカミでもあるという両義的な性格を有すること。 二、呪詛によって生じるフジョウが、病いの一因と両島では考えられており、それを祓う力をカナヤマサマが有するが故に、治癒神として祀られること。 三、両島におけるカナヤマサマの性格形成には、ミコの果たす力が大きいこと。 以上の点を報告した上で、両島の医療や福祉の分野に置ける現実的な課題を考えていくにあたり、両島が育んできた民俗レヴェルでの健康観に対する理解の必要性を指摘した。
- 2011-03-01
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