生殖補助医療に伴う子どもの権利性の社会的支援に関する質的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
不妊のカップルへの最先端の医療技術として生殖補助医療がわが国で進められている.本研究は,2002年現在わが国で法制化が検討されている非配偶者間の精子・卵子・胚の提供による生殖補助医療に伴う子どもの権利性を擁護する必要性について,子どもの権利の1つである出自を知る権利に注目し,児童福祉の観点から論ずるものである.生殖補助医療により子どもを得たカップルについては法制化について審議過程にあり,実際には存在しないため,当事者性のある養子縁組を適用したカップルへのインタビュー調査を実施し,求められる社会的支援の諸要素を明らかにした.研究結果として,生殖補助医療に伴う子どもの権利性を擁護するための社会的支援は,生まれた子ども,それを選択したカップル,および提供者とその子どもに,それぞれ質的に異なるサポートが必要であり,その社会的支援とサポートはソーシャルワークの領域にあることが明らかとなった.
- 2003-07-31
著者
関連論文
- 非配偶者間生殖補助医療で生れた子どものナラティブ再構築に関する研究
- 量的調査による配偶子提供子の社会的認知に関する一考察
- ソーシャルワークの倫理とコミュニタリアニズム
- わが国における人工生殖と子の福祉に関する歴史的考察 : 「人工授精子」誕生の時代(1949〜1978年)に着目して
- 児童虐待防止における自治体ソーシャルワークに関する一考察
- 非配偶者間生殖補助医療により生まれた子どもの社会的虐待からの解放--ナラティブ・アプローチの試み
- ソーシャルワークの倫理--原則と基準を特定するための試行--「ソーシャルワーカーの職業倫理に関する調査」を中心に
- 社会福祉士に対するスクールソーシャルワーカー養成研修プログラムに関する研究
- 生殖補助医療に伴う子どもの権利性の社会的支援に関する質的研究
- 非血縁親子関係と人間の絆 (特集 子ども臨床において事実を分かちあう)
- ブラジルにおける「児童センター」の発展に関する一考察--「奄美事業所」のインタビュー調査を踏まえて
- 国際ソーシャルワークの動向とわが国の課題--IFSWブラジル大会の議論を踏まえて
- 社会福祉系学生の生活体験・学習活動・生活に関する一考察
- 非配偶者間人工授精子の求めに即したソーシャルワーク・プラクティスに開する研究--ナラティヴ・アプローチの適用可能性について
- 非配偶者間人工授精における人権侵害とソーシャルワーク
- ソーシャルワークによるDI者の解放をめざした支援の理論的考察
- 社会福祉士養成課程における実習契約と実習指導者の力量の構造に関する考察
- ソーシャルワーク倫理と「未来世代」への対応(試論)
- ソーシャルワーカーの倫理綱領の発展と合意形成
- AIDで生まれた子どもたちをめぐる問題と子どもの出目を知る権利について
- 心理福祉の立場から (特集 代理懐胎)
- 児童相談所のこれからの役割-主に児童虐待へのアプローチについて-
- 子どもの出自を知る権利保障に関する研究 : 生殖補助医療における国際比較
- 生殖補助医療における子どもの出自を知る権利 : 英国の法律改正の背景
- ソーシャルワークにおける子どもの自叙伝づくり
- 子どもの出自を知る権利の必要性 : 生殖補助医療と養子制度より
- 子どもを虐待する母親--母親への支援と予防 (特集 母親:芽生えと発達)
- 子どもへのテリングのサポート方法に関する考察 : 第三者の関わる生殖技術による出生について
- ソーシャルワークにおけるグローカリズムを考える : IFSW Action Plan 2010-2012並びに21stAPSWCを踏まえて
- 【学位取得論文要旨】DI者の権利擁護
- ニュージーランドのソーシャルワーク教育からの示唆 : Christchurch Polytechnic Institute of Technologyへのヒアリング調査より
- シンポジウム 岐阜県におけるこれからのソーシャルワーク (特集 2012.7.16. ソーシャルワーカー・デーin岐阜)