ソーシャルワーク実践における資源システムの構築II : 実践編
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概要
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本論の理論的枠組みは,社会福祉学第42巻2号で提示した。目的は,その資源理論に基づいた実践事例を示してその有効性を明らかにすることである。クライエントは,アトピー性皮膚炎で入院していた女性で,彼女は化学物質の臭いに過敏なため,家を失い社会生活ができなくなった。彼女の社会生活を支援するために,筆者であるソーシャルワーカーにこのケースが紹介された。筆者は,彼女の症状は,彼女とかかわりのある重要なサブシステム間の力動性に影響しているととらえ,彼女の臭いへの反応は,日常生活の対人関係と関連があると考えた。そして,筆者との家探しのための情報によって,しだいに彼女は家探しの選択肢に気づき始めた。この面接過程のなかで,彼女の態度は徐々に主体的なものへと変化し,最終的には,彼女は自分で我慢のできる臭いのある家を探しあてた。これが,彼女にとって最も重要な資源システムとなった。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2002-08-31
著者
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