27 有限要素法による鉄筋コンクリート梁の弾塑性解析法の検討についてその3(構造系)

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鉄筋コンクリート部材を有限要素法によって弾塑性解析し、諸性状を明らかにしようとする試みが盛んになされ、著者らも検討を続けてきた。その結果、最も簡単なスパン中央に集中荷重を受ける単純支持梁についての解析により、a)実験の降伏荷重付近までの荷重-たわみ曲線は、実験のそれに比較的よく対応する。b)耐力は実験値よりも大きい。c)耐力時に広い範囲に数多くのひびわれが生じる。等が明らかになった。以上のうちc)のひびわれの大部分は、実験の降伏荷重以降の荷重の増大の間に生じたものであって、実験値と解析値間の差異の主たる原因は、解析で得られる耐力が大きくなることによると思われた。更に耐力の増加はi)ひびわれが下縁から進展して上端筋付近に達すると、ひびわれ先端部の応力勾配が非常に大きくなるのに対し、この部分の要素分割が粗いため要素中央点の応力度は要素の占める領域内の応力度の平均値として求められる結果小さい値になり、ひびわれの進展もコンクリートの圧縮破壊も起らなくなる。そしてコンクリートの圧縮部分の要素が大きな曲げモーメントを負担するようになること、及びii)これまで鉄筋には軸方向力しか生じないと仮定して解析してきたが実際には鉄筋は曲げを受け、これを無視したことにより鉄筋の降伏応力が実験の場合よりも大きくなることによるのではないかと考えた。本報は以上の点を明らかにしようとして行った表-1及び図-1(a)に示す諸元を持つ単純支持鉄筋コンクリート梁の解析結果について述べたものである。
社団法人日本建築学会の論文

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