福祉思想としての新たな公的責任 : 「自己責任論」を超克する福祉思想の形成
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概要
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「貧困は自己責任」といった自己責任論が広がっている.そして,このような考えが,社会的排除を助長している.本稿の目的は,「新たな公的責任」という概念を提起し,それが「自己責任論」を超克する福祉思想であることを論証することにある.まず,先行研究から「新たな公的責任」を形成していくうえで必要不可欠な観点を学ぶ.次に,「公」と「責任」概念の意味を確認し,分析したうえで,両者を止揚する概念として「新たな公的責任」という概念を提起する.続いて,責任の有無を区別する基準,自己責任論の問題点,自己責任論を超克する思想について確認する.そのうえで,「新たな公的責任」が責任の有無にかかわらず,支援が必要な人に支援すべき根拠となる理由を述べる.最後に,「新たな公的責任」の構造を明らかにするとともに,「新たな公的責任」は福祉思想の水準でなければ成り立たないことを説明する.
- 2010-11-30
著者
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