人工心臓用経皮エネルギー伝送システムから発生する電磁界の生体影響の解析 : MRIベースの人体モデルを用いた場合(オーガナイズドセッション:電磁波の医療・生体応用技術)

概要

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経皮エネルギー伝送システムは,電磁誘導を用いて人工心臓にエネルギーを伝送する方法である.経皮エネルギー伝送は経皮的にエネルギーを伝送することで、感染症の防止,生活の質の向上を実現している.本稿では,経皮エネルギー伝送を用いた全人工心臓の生体影響を解析する.Specific absorption rate(SAR)と電流密度を,43種類の生体組織によって構成されている人体モデルを用いて電磁界解析することで求めた.空芯型コイルを鎖骨近くの大胸筋上に配置したモデルをModel 1,コイル以外の全人工心臓システム(体外電池,コントローラ,体内電池,アクチュエータ,血流ポンプ)を追加したモデルをModel 2とし解析を行った.SARの最大値は,Model 1では58.1mW/kg,Model 2では31.5mW/kgであった.電流密度の最大値は,Model 1では3.72A/m^2,Model 2では2.63A/m^2であった.したがって,SARと電流密度いずれもICNIRPの定める基本制限以下となった.
2010-01-14