変位筋音図を用いた骨格筋の収縮機能の評価 : 筋トレーニングおよび筋疲労における筋線維の寄与

概要

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変位MMG (mechanomyogram)は,筋収縮に伴う皮膚表面の変位変化を記録したものである。上腕二頭筋において,筋疲労および筋トレーニングを行った前後で,レーザー変位計を使って,変位MMGのFusion Index (FI)の周波数特性(FFC)を測定した。電気刺激はパルス幅3msの負極性パルスで,皮膚表面の運動点を刺激した。刺激周波数は1〜50Hzまで対数的に増加させ,ほぼすべての運動単位(MU)が発火する強度で行った。FIは単収縮波形の最大値の減少と最小値の増加から求められる。測定された強縮過程では,最初に不完全強縮が始まり,次いで完全強縮が続く。測定結果はFIを用いて定量的に表わされ,これらのFFCはS字形状の曲線を示した。このFFCはシグモイド関数によって表わされ,その二つのパラメータはkとhである。kはFIが50%になるときの刺激周波数であり,hはFFCの傾きを反映している。筋力トレーニングにおいては,kとhは共にトレーニング後に増加したが,これはトレーニングを行ったFF/FR-MUの単収縮波形における収縮/弛緩時間の減少によって説明することができた。一方,筋疲労後はkとhは減少し,これは疲労後のFF/FR-MUの単収縮波形の収縮/弛緩時間の増加によって説明することが可能であった。
2010-03-02