海洋大循環モデルに見られた沿岸親潮(シンポジウム:沿岸親潮)
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概要
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高分解能京都大学海洋大循環モデルによる北太平洋シミュレーション実験結果を用いて,沿岸親潮の形成過程について検討した.シミュレートされた沿岸親潮は,春に低塩で秋に高塩かつ流速が最大となる等,観測から指摘されている特徴を良く再現していた.モデルの沿岸親潮は親潮の沿岸域での流れというよりも,むしろ春は海氷融解による低塩・低温水,秋は夏季の宗谷暖流水を起源とする高塩・高温水により駆動される季節変動に富んだ局所的な流れであった.この結果は,オホーツク海からの密度・渦位フラックスのみでも,沿岸親潮は駆動されることを示している.興味深いことに,春季には宗谷暖流水の密度が高すぎて西部千島海峡を横切れないため,北海道南東沿岸に現れる高塩水の起源は夏季の宗谷暖流水のみであった.このことは,オホーツク海中層水の形成や宗谷暖流と沿岸親潮のつながりを理解する上で重要である.また,従来の大循環モデルでは考慮されていない潮流過程が,千島列島における海水混合・交換を通して沿岸親潮に影響を与えうることが示唆された.
- 日本海洋学会の論文
- 2003-08-26
著者
-
中村 知裕
北海道大学低温科学研究所
-
石川 洋一
京都大学理学研究科海洋物理学研究室
-
中村 知裕
地球環境フロンティア研究センター
-
豊田 隆寛
京都大学
-
石川 洋一
京都大学大学院理学研究科
-
淡路 敏之
京都大学大学院理学研究科
-
淡路 敏之
海洋研究開発機構:京大院理
-
豊田 隆寛
海洋研究開発機構
-
中村 知裕
京大 大学院理学研究科
-
中村 知裕
京都大学大学院理学研究科地球物理学教室
-
豊田 隆寛
京都大学大学院理学研究科地球物理学教室
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