境界層における貧酸素化とリンの溶出(シンポジウム:閉鎖性汽水域における物理・化学・生物学的過程)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水・堆積物界面における溶存物質のフラックスは直上の流れによって影響を受け,流れが少しでもあると静止条件での値よりも顕著に増加する事が知られている.これは,比較的遅い流れの条件下において界面直上に濃度境界層が形成され,そこでの拡散輸送が律速段階となって全体のフラックスを規定するためである.堆積物の酸素消費速度及びリンの溶出に関して,濃度境界層の影響と堆積物内部の反応過程を取り込んだモデル化を行った.モデルは,直上水の流速と物質濃度,堆積物内部の反応速度,堆積物表面の粗度を入力条件とし,フラックスや濃度分布を計算できるものである.特に酸素消費に関して,モデルは,フラックスと流速の関係を示した実験値のみならず,微小酸素電極を用いた界面近傍の濃度分布の測定結果をよく説明した.流れをコントロールした三つの実験系での実験を行い,それぞれの特徴に関しても論じた.
- 日本海洋学会の論文
- 1997-08-29
著者
関連論文
- 港湾域における有機スズ化合物の存在特性と水中回帰に関する現地調査
- 夏季の宍道湖の底層水に蓄積する栄養塩の起源
- 堆積物による酸素消費からみた内湾の貧酸素化 (シンポジウム 沿岸海域の貧酸素化)
- 境界層における貧酸素化とリンの溶出(シンポジウム:閉鎖性汽水域における物理・化学・生物学的過程)
- 盤洲干潟における潮汐に伴う水質変動に関する現地観測
- 堆積物による酸素消費からみた内湾の貧酸素化(シンポジウム:沿岸海域の貧酸素化)
- 貧酸素および硫化水素が干潟の生物に与える影響に関するメソコスム実証実験