沿岸フロントと魚類卵稚仔(シンポジウム:沿岸フロントと生物生産)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
熱塩フロント(東京湾と紀伊水道)と潮汐フロント(大阪湾-紀淡海峡)近傍における魚卵,仔稚魚と餌料プランクトンの分布,及び仔稚魚の摂餌状態に関する調査を1987-1993年にかけて実施した.いずれのフロントでもその近傍では沿岸性の魚類が多く採集された.東京湾口の熱塩フロントでは,餌料プランクトン密度はフロント上とフロントの外洋側で概して高く,魚卵,仔稚魚の密度はフロントの内湾側で高かった.両者の密度がフロント上でピークを示す場合とそうでない場合があった.一方,紀淡海峡の熱塩フロントでも東京湾口と同様に内湾側に仔稚魚が多かったが,フロントの外洋側の餌料プランクトン密度は高くなかった.大阪湾と紀淡海峡の潮汐フロントでは,両者ともに成層側で魚卵,仔稚魚及び餌料プランクトン密度が高かった.熱塩フロント近傍における仔稚魚の摂餌状態は,概して良好であったことから,フロントは仔稚魚が連続的に摂餌できる環境を提供している可能性が考えられる.
- 日本海洋学会の論文
- 1995-08-31
著者
関連論文
- 諫早湾のアサリ養殖場における夏季大量へい死対策 : 底層溶存酸素の改善試験
- 有明海中央部における物質輸送過程の季節変動
- 大村湾(形上湾)におけるカキと曝気を併用した水質浄化研究
- 閉鎖系海域での貧酸素水塊が基礎生産系に与える影響--大村湾を例として (総特集 温室地球における生命と環境の共進化)
- 有明海における透明度の長期的上昇傾向及び赤潮発生との関連
- 熱塩フロント近傍における繊毛虫類に関係したイカナゴ仔魚の摂餌戦略
- 有明海の流れ場を支配する物理過程 (シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- 九州沖縄地区合同シンポジウム 「有明海の海洋環境」
- 水産を取り巻く沿岸環境の現状と将来の展望(第2回座談会)
- バイオテレメトリー手法によるアイゴとノトイスズミの行動解析
- 冬春季に天草灘・五島灘南部陸棚縁辺部で観測された北-北東向きの流れの構造と変動
- 九州支部平成20年度例会シンポジウムの概要(支部のページ)
- 宇野木早苗・山本民次・清野聡子編, 川と海 流域圏の科学, 築地書館, A5判, 297頁, 2008年6月30日発行, 定価3,000円+税, ISBN978-4-8067-1370-8
- 北大西洋におけるウナギ属魚類産卵海域の海洋構造特性 (総特集 ウナギ資源の現状と保全) -- (生物学)
- 長江流入水が東シナ海の表層塩分・栄養塩濃度に及ぼす影響について
- 体温保持機構からみたクロマグロの温帯水域への適応(平成18年度日本水産学会論文賞受賞)
- 平成18年度水産学進歩賞受賞者(ワムシ類等餌料用動物プランクトンの生理機能と仔魚への餌料効果に関する研究) : 萩原篤志氏
- 東シナ海におけるカイアシ類の分布・変動 (マアジ仔稚魚の初期生態と日本沿岸への輸送機構)
- IV.水産試験研究機関によるモニタリング : 有明海における浅海定線調査(第15回 ジョイントシンポジウム沿岸環境モニタリング,その必要性,可能性,緊急性-関連学会からの提言に向けて)
- 平成16年度日本水産学会賞奨励賞受賞者(板鰓類の資源生物学的研究) : 山口敦子氏
- 有明海におけるカイアシ類ノープリウスの分布・変動特性
- 海洋乱流がキハダマグロ仔魚の生残に与える影響
- シンポジウム「沿岸海洋学からみた有明海問題」のまとめ (シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- ヒイラギ科魚類各属の標準和名
- 日本初記録のコガネマルコバン(新称) Trachinotus mookalee
- ユウヤケマツカサ(新称) Myripristis robusta の日本からの初記録
- 沖縄島で採集された日本初記録のヒイラギ科魚類ヤンバルウケグチヒイラギ(新称) Secutor megalolepis
- ツバメコノシロ科魚類カタグロアゴナシPolydactylus sextariusの日本からの記録
- クロオビエビス(新称)Sargocentron praslinの日本からの記録
- 石垣島で採集された日本初記録のカタクチイワシ科魚類ヤエヤマアイノコイワシ(新称)Stolephorus commersonnii
- オオクチイケカツオScomberoides commersonnianus の日本からの初記録
- 宮崎県日南海岸で採集されたアカネキントキ(新称) Priacanthus blochiiとウスベニキントキ(新称) P.fitchi
- 1992年度南西諸島航海における丸稚およびORIネットによって採集された魚類
- 三重県阪内川上流域から採集されたイワナ
- 護岸の形状による付着生物量および組成の変化 : 東京湾追浜地先における周年調査結果から
- 日本におけるナンヨウアゴナシPolydactylus sexfilis(スズキ目:スバメコノシロ科)の生物地理学的知見
- 南日本の宮崎県に出現するフサカサゴ科, オニオコゼ科, ハオコゼ科およびイボオコゼ科魚類
- 南日本の宮崎県に出現するフサカサゴ科,オニオコゼ科,ハオコゼ科およびイボオコゼ科魚類
- 宮崎県下で見つかったフエダイ科魚類2種の体形異常
- 青森県から得られたツバメコノシロ科魚類ミナミコノシロEleutheronema tetradactylumとその標徴に関する新知見
- 超音波ピンガー, アーカイバルタグ,ポップアップ・タグを用いたマグロ類の行動研究
- 五島灘北部海域における表層流の変動とその卵仔魚輸送への影響
- 海浜域の環境と生物 (特集・海岸環境)
- 海の健康診断--沿岸環境の保全・回復のために (総特集 海洋学の最前線と次世代へのメッセージ--杉本隆成教授退官記念号) -- (3章 水産海洋学)
- 生物資源--環境系のモデリング (特集 生態系モデルって何?)
- 沿岸生態系の機能--その持続的な利用に向けて (特集 生態系のいま2)
- 海洋環境モニタリングの意義と手法 (特集 今後の海洋環境保全のあり方)
- 沿岸生態系の機能をもとにした生物生息場の評価 (テクノ・オ-シャン′96国際シンポジウム特集)
- 海洋生物資源の環境研究の視点から (総特集 水産科学と海洋科学) -- (3章 問題)
- 有明海の流れ場を支配する物理過程(シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- シンポジウム「沿岸海洋学からみた有明海問題」のまとめ(シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- 2 CO_2海洋隔離の社会受容性に関する研究 : アンケート調査とリスクコミュニケーションの試行(討論)
- 海洋環境保全のためのモニタリング (特集 地球環境と海洋生態系の危機)
- チカメタカサゴ Pinjalo pinjalo の日本水域からの初記録
- タカサゴ亜科魚類ササムロCaesio caerulaureaの飼育下における産卵行動とその卵内発生および仔魚
- タカサゴ亜科魚類タカサゴ Pterocaesio digramma の飼育下における産卵行動とその卵内発生及び仔魚
- 芦ノ湖におけるワカサギ資源の変動要因
- 第2回海事工学シンポジウム : パネル討論「21世紀の海洋工学」
- 大淀川河口域で採集された成熟卵を持ったアカメ
- 黒潮前線域における仔稚魚の分布と餌料環境 (総特集 黒潮の生物輸送と生産機能) -- (6章 黒潮流域の低次生物生産とその生態学的機能)
- 黒潮続流フロント域における仔魚の分布と餌料生物生産の動態 (総特集 黒潮親潮移行域の浮魚類--分布・生態と海洋環境)
- 黒潮続流縁辺域における仔稚魚とその餌生物の分布 (総特集 黒潮親潮移行域の物理・生物・化学過程) -- (4章 黒潮親潮移行域の高次生物生産)
- 放流種苗の違いによる遡上数の比較
- 岩熊井堰中央魚道におけるアユ遡上について
- 風の日々変動がマガレイ卵・仔魚の沿岸海域への滞留に及ぼす影響に関する数値シミュレーション
- オイラー・ラグランジュ法によるマガレイ卵・仔魚輸送の数値実験
- 佐渡海峡周辺におけるマガレイ卵・仔魚の輸送に対する風の影響の数値シミュレーション
- 有明海における海況の経年的な変化 (総特集 有明海の環境と生物生産)
- 有明海の環境と生物生産--序論 (総特集 有明海の環境と生物生産)
- 構造モデルを用いた漁場環境評価手法による事例の検討〔英文〕
- 構造モデルを用いた漁場環境影響評価手法〔英文〕
- 相模湾の表層循環とマイワシ卵仔稚魚の分布との関係〔英文〕
- 東部瀬戸内海の流況・海況変動に対する風の影響〔英文〕
- 漂流かご網による幼稚魚採集〔英文〕
- 志々伎湾周辺の産卵場からのマダイ仔魚の輸送に対する風の影響〔英文〕
- 玄界灘のマアジ漁場に及ぼす対馬暖流の影響
- 瀬戸水域における物質の拡散・集積について(シンポジウム:瀬戸内海の海洋構造)
- 瀬戸水域における物質の拡散・集積について(要旨) (瀬戸内海の海洋構造)
- 沿岸環境モニタリングの必要性 : 有明海の調査・研究に関連して
- これからの海洋環境モニタリングに関するいくつかの提言
- 黒潮の離接岸変動が沿岸の動植物プランクトン生物量に及ぼす影響
- 内湾の環境再生 : 海外の事例に学ぶ
- 有明海の環境と生態系・漁業の変遷に関する調査研究プロジェクト(第4回MRI(Marine Research Institute)シンポジウム「Marine ecophysiology」)
- これからの海洋環境モニタリング (総特集 水産海洋研究におけるモニタリング)
- 黒潮の離接岸変動が遠州灘の春季のシラス漁況に及ぼす影響
- 米国における内湾の環境修復プロジェクトの動向
- 沿岸フロントと魚類卵稚仔(シンポジウム:沿岸フロントと生物生産)
- 黒潮の離接岸変動とシラスの加入
- 2.水産資源分野(メインテーマ:「21世紀の海洋工学に何を期待するか」)
- 回遊行動生熊研究の国際的動向
- 黒潮遭遇と認知の歴史
- 「治療」から「予防」の科学へ
- 討論:漁場環境研究の立場から(シンポジウム:海域エコテクノロジーの現状と将来課題)
- 風はイカナゴの生き残りにどのように影響するか?
- 漁況予測の実践に向けて : 漁況変動に対する漁業生物の応答
- 資源と環境--魚種交替の契機を探る (海洋生物資源--その利用と管理)
- 仔稚魚の輸送・生残・加入にかかわる沿岸海洋過程
- 黒潮大蛇行に伴う瀬戸内海の海況変動
- 玄界灘のマアジ漁場に及ぼす対馬暖流の影響
- 有明海における卵稚仔輸送過程の数値モデル