大阪湾の貧酸素水塊(シンポジウム:貧酸素水塊)
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概要
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大阪湾における貧酸素水塊の発生状況を明らかにし,その形成要因とそれが内湾の海域環境におよぼす影響について検討した.大阪湾の貧酸素水塊は温度成層が生じる5月から9月の期間に水深20m以浅の東部海域で形成されるが,その消長は表層と底層の水温差とよく対応する.これは温度成層の形成によって底層への酸素供給が妨げられると同時に表層からの日射熱も遮断されることによるもので,底層水中の酸素濃度は上層からの供給遮断後の継続時間によって大きく制約されると考えられる.このことは,この海域が停滞海域で,湾中央部方向からの沖合水の入りこみによる水平方向の海水交換による酸素補給が相対的に少なく,底層への酸素補給が主に海面からの鉛直混合に依存していることを示唆している.そして貧酸素水塊中ではDINやDIP(AOU3〜4ml/l以上は除く)が有機物の分解に消費された酸素量に比例した濃度で溶存している.
- 1989-02-28
著者
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