光照射によるアオスジアゲ翅の青色ビリン色素の生成
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概要
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1)アオスジアゲハGraphium sarpedonにおける成虫翅の青色帯は羽化後の光照射により誘起されるが,羽化した成虫が暗所に置かれたままでは,淡い黄色のままである.この青色はビリン色素の一種,サーペドビリンの存在による.本研究においては,さまざまな光照射条件下においてアオスジアゲハ翅の青色着色効果ならびにサーペドビリン量を調べた. 2)成虫への光照射実験において,翅の青色ビリン色素の量は照射される光の強度や期間が増すと,増加することが明らかとなった.また,照射効果は羽化後1日目の日齢で最も有効であった. 3)光受容の部位を探るために,成虫への光照射を部分的に行なったところ,翅のみへの光照射が有効であり,胴体への照射は効果がみられなかった.さらに,胴体から切り離した翅全体への光照射のみならず,青色着色予定帯部分への局所的光照射も有効であった. 4)有効な光波長については,青色光が最も有効であり,次が緑色光であり,赤色光はほとんど効果がなかった. 5)最後に,顕微鏡観察により翅の着色部位を観察したところ,青色に着色するのは針状の鱗粉本体ではなく,翅の膜部分(特に,鱗粉の付根部分)であることが判明した. 6)これらのことから,光は感覚/神経内分泌系を介して翅の青色化に作用するのではなく,翅組織に直接に作用して青色ビリン色素の合成を促すことが示唆される.
- 2010-10-13
著者
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加藤 義臣
Department of Biology, International Christian University
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江場 淳子
Department of Biology, International Christian University
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山田 弘生
Insect Biomaterial and Technology Department, National Institute of Agrobiological Science
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山田 弘生
Insect Biomaterial And Technology Department National Institute Of Agrobiological Science
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加藤 義臣
Department Of Biology International Christian University
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江場 淳子
Department Of Biology International Christian University
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加藤 義臣
国際基督教大学生物学教室
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