76 早大理工学部研究棟の筋違について(第1部(構造力学・構造法関係))

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早稻田大学理工学部新館研究棟(地上18階、地下2階)の筋違は長辺方向と短辺方向でその仂きが異る.長辺方向筋違は菱型であり、第1図に示す如く、その端部は柱及び梁の中央で接合されている。從って横力を受けた時に、柱及び梁の筋違との接合部に曲げを生じさせないためには、第2図(a)の如く筋違に等量の引張応力と圧縮応力を生ぜしめ、その合力が接合する柱、或は梁と同じ方向になる様にしなければならない。その為に圧縮側筋違が挫屈して、応力が低下しない様に二次半〓の大きいBox断面としてある。地震時の最大層間変形はEl-center NS最大加速度330galで1.36^<cm>である為、HT-70の高張力鋼を使用して、筋違が弾性変形を保つ仂木様にした。短辺方向筋違は第1図の如くX型で引張にのみ抵抗する。使用鋼材は上階の層間変形量が小さいところではその変形量に応じてSM50及びHT-60の帶板を使用し、12階以下の層間変形量の大きいところでは(El-center NS最大加速度330galで1.59^<cm>)P・C鋼棒第2種〜第4種を適宜使用する。鋼材のヤング係数はどの材料も大体同じなので、はじめに筋違断面積一即ち建物の剛性を仮定し、動的解析による応答結果から各層の層間変形に耐え得る材料を選択した訳である。短辺方向と長辺方向とでは剛性が異るが、各方向共構造的に対称で偏〓がない。又上層から下層までほゞ一様な剛性とし特殊な振動が生じない様にした。これは各層の筋違の断面積を変更せず、材貭を選択する亊によって可能となったものである。
1966-06-23

76 早大理工学部研究棟の筋違について(第1部(構造力学・構造法関係))

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