脳卒中片麻痺者における麻痺側上肢の感覚障害と動作障害との関連
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概要
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【目的】本研究の目的は,脳卒中片麻痺者における麻痺側上肢の感覚障害が動作に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】対象は初発の脳卒中片麻痺者26名で,麻痺側上肢の感覚障害が動作へ及ぼす影響について検討するため,上肢および手指の運動麻痺が軽度な者を対象とした。感覚検査として「指あわせ試験」,位置覚検査および触覚検査を行い,上肢の動作能力の評価として簡易上肢機能検査(Simple Test for Evaluating Hand Function,以下,STEF)を行った。各感覚検査における重症度別のSTEF得点の差と,各感覚検査の重症度とSTEF得点との関連について検討した。【結果】「指あわせ試験」と位置覚検査においては,重度な障害を有する者と障害のない者との間でSTEF得点に有意差を認めた。各感覚検査により判定された重症度とそのSTEF得点との関連性については,「指あわせ試験」と位置覚検査においてともに有意な相関が認められた。【結論】脳卒中片麻痺者において深部感覚障害が重度であると,上肢の動作能力も著しく低下することが明らかになった。また「指あわせ試験」は上肢の深部感覚検査として有用であることが確認できた。
- 2010-10-20
著者
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柳瀬 由起子
中部リハビリテーション専門学校理学療法学科
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村上 忠洋
中部リハビリテーション専門学校理学療法学科
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村上 忠洋
老人保健施設第1若宮
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高見 彰淑
秋田県立脳血管研究センター 機能訓練部
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柳瀬 由起子
中部リハビリテーション専門学校 理学療法学科
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村上 忠洋
中部リハビリテーション専門学校 理学療法学科
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