UHF帯テレビ放送波を利用したヒト検知システムにおける時間差判定の適用効果(<特集>高度化するワイヤレスシステムを支えるアンテナ・伝搬技術論文)

概要

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筆者らは現在,UHF帯テレビ放送波を利用したヒト検知システムを提案し,特性評価を行っている.現行のシステムでは,1秒前との受信レベルの差分があるしきい値を超えるか否かで室内のヒトの有無を識別している.しかし,ヒトの動きは様々であり,1秒前との受信レベルの差分のみでは確実に検知できない可能性がある.ヒトがゆっくりと動いた場合,周囲のマルチパス環境はその動きに応じて変化するため,受信レベルも同様に緩やかに変動する傾向にある.そのため現行のシステムではこのような様々なヒトの動きを必ずしも高精度に検知ができていなかった.そこで本論文では,高精度な検知のための一手法として,受信レベルの時系列データを複数の異なる時間差で遅延させ,各時間差での受信レベルの差分を検出する時間差判定の手法を本ヒト検知システムに適用することを試みた.シミュレーションにて,ヒトの動きを想定して変動幅及び自己相関の異なる様々な受信レベル変動を生じさせ,時間差判定手法を適用した場合に,複数の異なる時間差を用いることでより大きな受信レベル変動を抽出できることが分かった.また,複数の異なる時間差を用いる時間差判定手法は,従来の単一の時間差を用いる手法や,複数の同一の時間差を用いる手法と比較して検知確率を改善でき,電界強度がKファクタ10dBの仲上・ライス分布に従う場合において,8秒間の受信レベルデータにより,90%以上の検知確率を達成できた.
2010-09-01

UHF帯テレビ放送波を利用したヒト検知システムにおける時間差判定の適用効果(<特集>高度化するワイヤレスシステムを支えるアンテナ・伝搬技術論文)

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