3種の試験法によるイエバエの殺虫剤抵抗性評価

概要

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5系統のイエバエMusca domestica L.のペルメトリンおよびフェニトロチオンに対する局所施用法によるLD_<50>値(μ/♀),濾紙接触法(0.32ml/φ9cm)によるKT_<50>値(分), LC_<50>値(%)を評価した。感受性系統CSMAのLD_<50>値はペルメトリンで0.015μg,フェニトロチオンで0.046μgであった。ペルメトリンではTojo2系統が10.1μg,フェニトロチオンではTojo 1系統が10.4μgで最も高かった。薬剤濃度2%におけるCSMAのKT_<50>値はペルメトリンで18分,フェニトロチオンで33分であった。ペルメトリンでは3系統のKT_<50>値が24時間以上となり,フェニトロチオンでは4系統が252〜600分であった。CSMAのLC_<50>値はペルメトリンで0.0018%,フェニトロチオンで0.0046%であった。ペルメトリンでは2系統のLC_<50>値が20%以上となり,フェニトロチオンでは4系統が0.09〜1.5%であった。LD_<50>値, KT_<50>値, LC_<50>値およびそれらの抵抗性比のそれぞれの対数は,互いに相関の高い回帰直線式によって示された(重相関係数0.967以上)。このことから簡易な抵抗性評価として, LD_<50>値より容易に求められるKT_<50>値を用いる手法の有効性が示唆された。
2000-06-30